3月がそろそろ終わりが見えてきた今日この頃。政府関連のものに関しては年度末ということで、来年度に向けて色んな情報が錯綜している時期でもあります。
はい、文字通り錯綜し、迷走しています。私の眼には。(笑)
ちなみに最近の歯科医療業界についていえば、コロナ関連のお話。
その話に移る前にそもそもで医療で必ず必要な知識である診療報酬という代物について。ま、名前はともかく、一般企業でいう売上にあたる部分です。企業との違いは、勝手に値段を上げたり下げたり出来ないこと。この値段設定をできるのは厚生省だけ。
で、みんなが入っている健康保険。国民はみんなこの健康保険に入って、相互に医療費を支えあっています。で、誰がどこで医療機関にかかっても、同じ治療を受けたら同じ値段、つまり診療報酬は診療によって全国統一されているということです。
つまりです、
銀座のど真ん中で歯医者をやっていても、どっかの過疎地で土地代が殆どかからず、最低賃金がすっごい安い地域で歯医者をやっていても、むし歯の治療も、歯周病の治療も一律同じ値段。
あほか?
借りてる家賃も違えば、人件費も違うのに同じ値段ってある???
公務員でさえ、転勤で違う場所に飛ばされたら地域格差が給料に反映されるのに。。。
と常々思っていましたが、政府のお役人さんは私の予想をさらに上回るアホさ加減だったのでさらに突っ込みます。
まず去年のコロナが流行り始めた頃、厚生局はどうどうと宣伝してましたよね?
不要不急の診療は控えてください!
いやいや、そもそも診療って必要だから受けるんでしょ?
不要不急の診療があること自体おかしいっしょ。
で、みんなが病院でクラスターが怖いからって医療機関に行かなくなった時期がありました。結構潰れたりなんだでどこも医療機関は大変でした。でも診療は続けないといけないし、場所によっては赤字を垂れ流しながらなんとかやってたんです。
確かに医療機関向けの補助金ありましたけど。確かに通常の補助金の申請より、簡単でしたけど。でもその程度の補助金を日本のことわざでうまく表現できまっせ。
焼け石に水!
で、しばらくしてからコロナ対策した医療機関には子供の患者一人につき診療報酬が余計に申請できることになりました。
はい?
なんで子供だけなの???
大人は、コロナ対策いらないんですか???
多分、同じツッコミをした人がいたのかどうか。やっと1年以上たってから全ての患者さんに対してコロナ用の診療報酬が決まりました!4月から一人につき50円!!!
えぇ~~~???
たったの50円で何ができるんでしょう?
ちなみに患者さんごとに取り換えているグローブは以前の3~5倍、アルコールは6倍、マスクは一番高い時期に目いっぱい仕入れたので、何倍だったんだ?
さらに、受付では検温だなんだと、中では器具や椅子やらの消毒は以前より手間と時間がかかりその人件費とか時間とか考えると、一人当たり50円なんかで足りるわけないじゃん!
しかもこのドタバタ劇始まったのって1年前ですよ?厚生局の時計は止まってんのかぁ???
なぜ私がここまでいうのか?
実は半年位前だったか、オランダの知り合いから連絡が来た時にこの話になり、オランダでは歯医者さんにかかるごとに個人が5ユーロずつ負担するんだそうです。そう、保険ではなく自分で5ユーロ治療とは別に払って歯医者さんにかかると。
すごいまともだわ。
だって自分が必要でかかる医療機関にコロナ対策で余分にかかった消毒代を自分で負担する
こんな当たり前のことがオランダでは出来て、日本に出来ないのが不思議。
それとも、私の感覚が未だにまだオランダ流なのかしら?ちなみにうちの院長は4月からの50円に喜んでました。いわく
だって何もないよりマシじゃん!
これが悲しいかな、日本で虐げられてきた一般歯科医の正直な感想。
厚生局のあまりのひどさに感覚が麻痺してんだろーなー。こんな医療制度、いつ破綻してもおかしくないけど、日本の医療人の良心でなんとか持ってるんだろうなー、と思うこともしばしば。いい加減、なんとかして欲しいものです。