前回、医療保険の話から予防の話になったので、ちょっと自分の予防手術の話を。。。
実は乳がんの場合、遺伝性乳がんというものがあります。乳がんが遺伝するっていうのはなぜか?って話になるんですけど、実はDNAの一部にその情報が入ってるんです。
人の染色体は23ペアかなんかあって、そのうちのXとYで男女が決まるっていうあれです。そのいっぱいある染色体の何番目かの螺旋の情報のこことここを調べると遺伝性乳がんになりやすいかどうかっていうのが分かるんだそうです。
まぁ分かりやすくまとめると、DNAの中にバグを持っているかどうか。
で、私はそのバグを持ってるんですが、そういう人の場合、
-乳がんになる確率は60~80%
-片方の胸に乳がん見つかって反対側にも出来る確率は60%
-さらに卵巣がんになる確率も高い
細かい数字はもう10年も経っているのでうろ覚えで、しかもまた最近は違うデータも出ているかもしれませんが、まぁそんな感じです。
オランダの場合、これを放置するより予防的に
-両方の乳腺を全摘する
-卵巣がんの確率が上がる40歳代以上は卵巣摘出する
という話があります。そして近親者にも遺伝子テストを受けるよう勧めます。
それらの処置や検査をやるかやらないかは本人次第ですが、基本的にこれらはスタンダードの予防治療に含まれ、全て保険でカバーされました。そして合理的なオランダ人は殆どの場合予防的に処置をする方を選びます。私もそうでしたが。
そして処置しない方を選ぶと定期的な検診を受けるように指導されます。私も卵巣摘出まではその検診をずっと受けていました。
オランダの場合、保険でカバーされたので自己負担0でしたが、その費用は保険で賄われるわけですから医療費として考えた場合決して安くはありません。しかしなぜこの予防治療に保険が適用されるのか?ここを考えてほしいのです。
癌治療はやったことのある人ならよく分かりますが、生死を戦う治療なので正直辛い。めっちゃ大変。できればやりたくない。死ぬかもって分かってても途中で投げたしたくなるんです。
それ位、精神的にも、肉体的にも負担が大きい。なら、そのリスクを回避できるならしたいよね?っていうのが患者側の考え方。
では医療費としたらどうでしょう?がん治療って高いんですよ。前に書いたことありますけど、抗がん剤の副作用予防の注射1本1500ユーロ、吐き気予防の薬が2錠で300ユーロとかでした、私の場合。記憶は定かじゃないですが。そんな値段なので、抗がん剤自体は一体いくらなんだろう???と。だからそんな抗がん剤、数回やれば予防手術費の元はしっかり取れますよ、同じ遺伝子を持った親戚一同全部予防手術したとしても。そう、予防治療の方が最終的に医療費が安くなるんです。
患者にもよくて、医療費も削減できるなら、やるでしょ?
全ての予防治療が安上がりになるかどうかは知りませんが、安上がりになるものに関しては何でやらないの?と思うわけです。
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