2011年1月25日火曜日

オランダ人の住居への執念

衣食住の優先順位を考えると、多分日本人の場合は大抵、食→衣→住になるのではないでしょうか。これがオランダ人になると、住が一番大事で、衣食に関してはほとんど関心ないというのが一般的なような気がします。

幸い、うちのクマは食べることが人一倍好きで(ま、だからクマ体型なんですが・・・爆)、着るものに関しても、意外とブランド好きだったりして「日本人か、おい!」と思うこともしばしば。で、特にこの衣食住で衝突するっていうことはこれまで余りなかったんですね。

とはいえ、住居に関しては異常にきれい好きなクマ。私が「そろそろ汚れてきたし、掃除でもするか」と思う前に、ヤツに限界が来るらしくブツブツ文句を言いながらいつも掃除だけはしてくれていた。

君は汚いと思わないのか?
こんな汚れたシャワーを使えるか?
トイレが汚れていたら恥ずかしいだろ!

とかいう文句を「カエルの面に水」の態度で聞き流してスルーできれば、家庭は平和そのもの。ちなみに何を言われても「だって毎日おいしいもの作ってあげてるでしょ?あなた最後に料理したのいつだっけ?」と言い返せば終わり。

ヤツに料理を期待できないのと一緒で、私に掃除を求める方が無理、というお互いの無言の了解。

と・こ・ろ・が!

今回の家の改装工事で、この均衡が破られちゃったんですね~~~ っていうか、お願いした職人さんがイマイチで、それがけんかの原因だったのですが、八つ当たりもいい所!でも彼の怒りの根源は多分、私が家のことに関してどうでもいい位の態度だったというのが気に入らなかったようです。

で、色々考えてみるに、これってもしかしてカルチャーの違いなのでは?と思うわけです。

例えば、今回の職人さんの仕事にクマがケチをつけたことが

ペンキ塗った後に粒々が残っている!これはきれいにやすりをかけなかったから
ペンキを塗りすぎて、ところどころドロップ型にペンキが垂れてる場所がある
きちんとカバーしてなかったから、ペンキがいろんな所についてる
見えない所のペンキの塗り忘れがある

などなど、細かすぎて「まぢ?」と思うこともしばしば。私の許容範囲を超えたのは、服にペンキをつけられたことだけで、あとは家のことをやってもらえるだけでありがたい、と思ってたんですよね。

でもオランダ人のスタンダードからすると、お金を払ってペンキを塗ってもらうなら、スプレーをかけたようにピカーっと、線もみえない、粒々も見えない状態での仕上がりが当たり前だそうで。ま、確かに今回の改装工事には予想以上のお金がかかったこともあり、ヤツの言い分も分かるのですが、そういうのを一々教えてもらわないと、日本人の感覚からはあんまり分かんない訳ですよ。

ま、説明してもらっても、そのスタンダードが当たり前という感覚がないだけに、それを「こーして、あーして」と職人さんに指示できるわけもなく、それでそれがまた、家にいる私の監督不行き届きってことであたられる、という繰り返しがこの1ヶ月続いていた訳です。

途中、クマのお母さんに相談して、話をしてもらったりしたのですが、自分の体調がイマイチなところに、改装工事のゴタゴタがさらに追加され、そのうえ当たられるんじゃ、もうこっちの身が持たないよ、という限界まできてたのが正直な所。

幸い先日工事が終わったら、クマのお母さんが掃除の手伝いに来てくれて、オランダスタンダードの掃除&片づけをほぼ1人で全部やってもらえたので(私はほんのちょっとだけお手伝い)、家はあっというまにピッカピカにしてもらえ、やっと住めるようになったのが先日の日曜日。

このハイレベルな掃除を自分でやってたら、いつまでかかったろ?っていうか、絶対ヤツのOKがでなくてまた毎日毎日継母にいぢめられるシンデレラのような生活が続いていたに違いない、と思うとぞっとする・・・

ということで、慣れたつもりのオランダ。それでもやっぱりこうやってカルチャーの違いで戸惑うことを経験して、また一つオランダ流を覚えたような気がします。といっても、次回は絶対、私が家にいない時に工事してもらいますけどね(笑)

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