先日、オランダの知り合いから連絡がきた。
オランダで歯周病って言われて治療したら1000ユーロ以上かかったんだけど、日本もそれ位かかるの?
まぁこの質問自体、りんごとミカンの値段を比べてどう?って言われてるので、りんごはりんご、ミカンはミカンと分けて回答したワケですが、回答しながらやっぱり日本の歯科業界に不安しか覚えないので、またここにそれをブツブツ独り言のように書き連ねていこう!というコーナーでございます。(笑)
歯科の診療報酬(つまり治療代)が安すぎるという話は前からしている話です。元々安い所に加え、昨今の医療費削減でさらにカットされどんどん安くなっています。さらに金属代がバカ高くなっているのにそれを補填してもらえず歯医者は持ちだしで患者の為にお金を払いながら治療しているといっても過言ではありません。
え、歯医者にお金払わせて仕事させるってバカなの、厚生省?
と常識的なビジネス感覚を持ち合わせていればそう思います。プロというのはお金を頂いて仕事をするのがプロです。お金を払って仕事をするのはボランティアかアマチュア。
政府が日本にいる歯医者さんをアマチュア扱いしてるという嘆かわしい状態。ま、プロと言うにはあまりにもひどい方もいらっしゃいますので、鶏が先なのか、卵が先なのか。。。
では、ここで想像力を働かせてみましょう。
何千万も借金して、儲からないビジネスしか出来ない場合、そこの医院を潰したくなければどうしますか???
ということで、賢く経営できるセンスがなければ成り立たないこの業界、結構アブナイことが当たり前に行われています。この裏事情をぜーんぶここで吐き出す勇気は私にはないのでそこはさくっとスキップ♪
で歯周病治療の話に戻ります。
まず、歯周病と診断できる先生がいるという大前提(そう、できてない先生もいるのです。。。)で、それをきちんと治療してくれる歯医者さんが、一体日本にどの位の割合いるのだろう?というのがワタクシの素朴な疑問。
まずはその為に必要なのは、歯科衛生士さんと衛生士さんが使える治療用椅子です。つまり、人的&物的リソースです。歯医者さんがむし歯などの治療で使うリソースに加えて、歯周病治療用にこのリソースを確保できるクリニックはかなり限られます。歯科衛生士さん自体、業界で不足してますからねぇ。そして椅子。これウン百万はする高価な代物です、はい。
ということで、不足している人材を狭い業界で取り合うとどうなるのか?というと当然給料が高止まりします。で、ここに高価な治療用椅子を加えると、リソース確保だけで相当額が必要になってきます。そう、治療代がどんどん安くなり、利益が薄くなっている歯科医院でこのハードルは既にかなり高いのです。
で、仮にそこがどーにかクリアできたとして、次に問題になるのは技術的な所。歯周病のケアを衛生士さんなら全員できるかというと、そういうワケでもない。下手っちょだと症状は改善しませんです、はい。
何の世界でもそうですが、お金のない業界でいい人材を育てることは難しいのです。まだ歯科衛生士さんはそれでもなんとかなっていますが、歯科医師の方に関して言うとレベル低下が著しいのでは?というのが個人的な肌感覚。むし歯の治療、入れ歯の治療、訪問診療、と一つずつ見ていくと、問題点が山積みです。結局、お金がどんどん削られて、きちんと若い世代を育てられる環境にないのかもしれません。
ここで現状を暴露、ディスるのは簡単ですが、このままでは日本の歯科業界がどうにもならなくなるのは時間の問題でしょう。医療費で財政が破綻するのが先か、歯科業界が崩壊するのが先か。
で結論。
オランダできちんと歯周病治療をしてもらえているのなら、値段が云々といわず、そこでやってもらった方がいいよ、というのが私の答え。安い日本で治療をという答えを期待してたんですかね、その方から返事はありません。(笑)
でも人間の身体には値段がつけられません。口の中を崩壊させられることを思えば1000ユーロは安いのよん♪