2012年3月22日木曜日

原爆と病気

ひょんなことから地元の同級生と連絡が取れ、時々コンタクトしてます。今回は遺伝子異常についての話になり、自分の遺伝子異常の話と重ね合わせて、やっぱり原爆に関係あるのだろうか?と。

私の場合は病気が先に見つかり、それでその原因の一つとして遺伝子検査をするように医者に勧められて初めて分かったこと。なので、それまでは何も知らずに過ごしてきました。でも結果を知ってしまったら、色んなことを考慮しなくてはいけないんですね。例えば、遺伝だから親戚や家族にも病気の確率があるとか、子供を産むならその遺伝子を渡してしまう可能性もあるとか。ぶっちゃけ「それだったらもう血を途絶えさせちゃった方がいいじゃん」と思うこともあります。

あと差別との戦いにもなりますよね。そういうこともあって、プライバシー保護に関して病院側も色々念を押して言ってましたが、そういう検査結果が公になれば生命保険なんかどうなんでしょ?ま、私の場合は癌になってるからそこで既にひっかかるそうですが。

今は就活中で色んな所に面接に行っていますが、そこでも病人に対する差別はすごいなと身をもって体験しています。オランダに関しては健康上の質問は法律上してはいけないことになっています。ま、プライバシー侵害もいい所ですから、当たり前といえば当たり前の話。ところが日本はその点かなり野蛮な国らしく、そういう法律がない。それで日本のオヤジどもはこちらでも日本式に根掘り葉掘り聞いてくるんですね。逆に「病気は罪ですか?」と聞きたくなります。

その昔、広島出身者は結婚に不利って聞いたことがあります。実際に自分の今の状態を考えると、自分のこんな人生を誰かに背負わせるのはかわいそうだなって思います。ま、幸いうちのクマはそう思ってないみたいですし、周りからも「結婚しないの?」とよく聞かれますが、結婚して落ち着こうと私自身が思えないんですね。例えば私がもっと若くに病気になっていたら、多分ずっと一人のままだったかもな、とも思います。

そういう諸々を最近になって考えるようになって、時々自分自身でも自分の人生が重くなる位なのですが、その同級生は子供の頃からそういうことと向き合ってきてたというのを今回はじめて知りました。家族が遺伝子異常を持っているからなんだそうですが、そんなことを一つも口にせず明るく楽しく学校生活を送っていた彼女の強さを改めてみたような気がします。

別の友人とも病気の話をしていて、「やっぱり原爆のせいだと思わない?」と。ここを強調してしまうとまた広島出身者の差別に拍車をかけることになりかねないので、誤解されたくないし、医学的な根拠も証拠もありませんが、やはり広島出身者の私たちの頭の中には「原爆」というのが常について回る宿命なのかもしれません。

今、福島が同じ状態で扱われています。ここで原発の是非を問う気はありませんが、風評被害の話や子供達の話を聞く度に、心が痛みます。自分で選んでその状況に陥ったわけではないのに差別される、こんな理不尽なことってあるんでしょうか?

私の母の伯母は原爆投下時、被爆とは認められない爆心地から離れた場所にいましたが、その閃光を見て何かあったと直感してありあわせのものをもって広島市内に行ったそうです。「誰かを助けなければ・・・」という思いで2次被爆をし、原爆手帳を持つ身になったのです。彼女はそれから平和のために生涯ユニセフ(だったか?)の活動をし、私が9歳のときに白血病で亡くなりました。祖母のような存在だった彼女の活動は、子供の私には理解できませんでしたが、今の私にはよく分かるような気がします。

これ以上こんな苦しい思いをする人が増えないよう、世の中が平和で安全になることを心から祈るばかりです。

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