2009年11月22日日曜日

お見舞い

リハビリで一緒のメンバーが調子を崩して入院して既に数週間。自分の定期健診でいく病棟に入院していたので、自分の検診が終わってからお見舞いに行ってきました。

彼の調子は芳しくなく、状態も全然良くならないし、いつになったら良くなるのか見当もつかない程でした。当然、本人もその状態がずっと続いていることにイライラしていて、「もうこんなんなら、いつ死んでも別にいいんだよ。」と。

自分も手術後になかなか回復しないことにイライラしていたので、その気持ちはすごく良く分かるんです。たったこの間までピンピンしてなんでも自分で出来たのに、いつの間にか自分の体なのに自分の思い通りにならない状態になってる。誰か「癌がひどいのか、癌治療がひどいのか」と言っている人がいたけれど、本当にそう。「治療のせいでこんな思いするのならもう治療なんてやめたい」と思ってしまうんですね。ま、私も未だにそう思うこともありますが。

私の入院中、唯一の楽しみは人が来てくれる事でした。手術後で殆ど動けないし、体力がなかったからとにかく疲れるのだけど、それでも人が来てくれてしゃべれることが楽しくて、その時間に合わせて身支度をして、おしゃべりをする体力を充電する為にお昼寝をしたものでした。あの時に「来てもらえるだけでありがたい」と思ったからこそ、余り知らないこのリハビリ仲間のお見舞いも「行くだけで価値がある」と。

予想通り彼にはすごく喜ばれて「行ってよかったな」と。一方で、何かしてあげたいのに何も出来ない自分がもどかしいんですね。それで初めてあの時自分のお見舞いに来てくれた人がみんな「ね、何かして欲しい?何か欲しい?」と聞いていた理由が初めて分かりました。というわけで、来週の通院でまた彼のところに顔を出す予定です。次は気分晴らしの花でも持って行きますかね。

腫瘍内科 11月18日

毎月行っている内科医とのアポ。なかなか白血球が元に戻らないから開放されなかったのだけど、とうとう今回の血液検査で白血球が正常値に戻っていることが確認できました。ほっ。週2回のビタミンB12注射が効いたのか、或いは体がやっと回復したのか。ま、理由はともあれインフルエンザや風邪が蔓延している今日この頃、これで一安心です。

とはいえまだホルモン療法の副作用はひどいので、副作用を軽減すべく更なる薬を処方するか、別の薬に変えるかを検討することになりました。その他、ビタミン欠乏が食事によるものなのか、或いは腸の異常なのかを検査する為、栄養士に送られることになり、同時に小腸まで届くカメラで組織検査することになりました。ちなみに胃カメラを飲むのも大変だからカメラを飲むと聞いてぎょっとしたのですが、「吐きやすい体質?」と内科医に聞かれ、速攻で「はい。子供の頃からよく吐いてたので、吐くのはとても上手です。」と答えたら、「じゃあ、麻酔で寝かせてあげる。それだったら何も感じないから。ゲェゲェなると大変でしょ。」って。癌患者に対する甘やかせ作戦のオランダ、好きだな~~~

というわけで、まだまだ完全ではないけれど、これで一歩前進って所でしょうか。

2009年11月8日日曜日

レントゲン

外科の定期健診の準備として、残っている左胸のレントゲンをとってもらいました。前回癌と診断された時以来、1年ぶりのレントゲンでした。

幸いにも何も写っていなかったので、その場で放射線医から「異常なし」と言ってもらえました。ほっっっ。

DNAテスト

木曜日に遺伝子学科(?)へ出向いてきました。30代で癌になるには早すぎるから遺伝かどうか調べたほうが良いと外科医からも内科医からも言われて、この科に送り込まれたのです。

アポの前に色んな書類を提出しなくてはいけなくて、その中のひとつが家族形成とその病歴。つまり家族の中に癌がいれば、どんな癌で、いくつの時になったかなどを詳しく書いて出すのです。

医者(というより、リサーチャー?)との話は生物の授業みたいで、まずは受精卵の分裂とその際遺伝子がコピーされる過程、遺伝子の種類や仕組みなどを分かりやすく図を見せて説明してくれるのです。早い話が遺伝子の中に癌を予防する情報があって、そこにバグが含まれているかどうかを調べると言うこと。余りにも面白い個人授業だったのでついでに色々聞いちゃいましたが、私が調べてもらうのは乳癌予防をしてくれる遺伝子情報(BRCA1とBRCA2)の部分だけ。

と言うと簡単に聞こえますが、実際には血液採取して、その中から白血球を取り出し、そこから遺伝子を取り出して、ひとつずつ調べていくんだそうです。全ては手作業なので、結果が出るにはとても時間がかかります。これもちゃんと保険でカバーしてくれるのでオランダでは自己負担はありませんが、聞くだけでも気の遠くなりそうな作業の割に、1回のDNAチェックの値段は700ユーロなんだそうです。

実際に遺伝であるといわれるのは全体の10%位だそうです。また例え遺伝であったとしても次世代にも遺伝してしまう可能性は50%。これは子供は男親と女親の両方から一つずつ遺伝子をもらうので。但し、遺伝子にバグが含まれていると癌の発症率は60~80%なんだそうです。なぜなら遺伝子情報は「癌になる遺伝子」ではなく「癌を予防する遺伝子」なので、ここに情報エラーがあると癌を予防する機能が下がり、癌細胞が代謝されにくくなっていく、つまり癌になるということなのです。

それ他遺伝の場合、自分自身の癌発症率がさらに高まることを意味するので、定期健診がさらに延び、同じ遺伝子で関係する卵巣癌の検査も含まれることになります。さらには、癌にならない予防治療として乳房&卵巣の切除などが検討されることもあるとか。ま、これらの話は実際に結果が出てからの相談になりますが。。。

というのが私のオランダ語力と知能で理解した範囲。さて、どういう結果になることやら。