2012年4月24日火曜日

尊厳死

国によっては自殺幇助となりかねない尊厳死。オランダではある一定条件をクリアできれば認められています。詳細はきちんと把握していませんが、延命処置をしないという死の迎え方が受動的な尊厳死なら、自分の最後の日を決めて注射してもらって死を迎えるのは能動的な尊厳死と言えると思います。

大抵の場合オランダで『尊厳死』と言うと後者の方を指し、尊厳死を決意した場合、家族、親戚、友人などに知らせます。個人主義が徹底しているオランダでは、どんなに逝って欲しくないと思っていたとしてもあえて反対することもなく個人の選択を尊重し、お別れに行きます。もう治らない重病の場合でないと尊厳死は認められませんから、死期が数日後で分かっているか、或いは1ヵ月後位のいつかの違いしかないことになります。そういう訳ですから、反対もなにもありませんが。


尊厳死の是非は今回は触れませんが、今日はその知らせを受け取りました。尊厳死を選んだのは、癌患者仲間の一人。以前にも彼女について触れていますが(ブログ記事はこちら)、乳癌が転移してとうとうこれ以上の治療は無理ということになったようです。まだ10代の女の子がいる彼女はまだ40歳代だったはず。1日でも長く子供と一緒にいたいと思うものの、一人でもう歩くこともできず、トイレにも行けない、ご飯も自分では食べられない状態で、これ以上もうがんばれないという結論だったそうです。

今回彼女からの指示で私に電話をくれたのは、彼女のパートナー。彼女の気持ちは本当によく分かるし、自分が同じ立場だったら多分同じ選択をしただろうと思うものの、そんな彼女を最後まで支えながら彼女の死を受け入れなければいけないパートナーの気持ちを考えるとなんと言葉をかけていいのか分かりませんでした。

癌という病気、早期発見すれば治ると最近は言われていますが、それでもまだまだそんなに簡単に治る病気ではありません。再発するかもしれないし、しないかもしれないけれど、そのコントロールは誰もできないし、助かるかどうかは神のみぞ知るといった所でしょうか。勿論、健康な人だって自分の寿命を知ってる人はいない訳ですけど、こんな知らせを受けても自分に何かできるわけでもなく、人生ってほんと儚いなぁ・・・と思い巡らす夕べになりました。はぁ・・・(*´Д`)=з

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