2010年9月11日土曜日

オランダ人とイスラム教

欧州にはイスラム教の移民が多く、欧州人は彼らを嫌う傾向にあります。私もこちらに来た頃は「なんで?」と思ってましたが、最近その気持ちが良く分かります。と、こういうことも堂々と書いたりとかすると命に危険があることもある(日本語なら大丈夫だとは思いますが・・・)ので当たり障りのないように書き進めます。この辺のニュアンスは行間を読んでください。(汗)

木曜日からオランダ語で「Zuikerfeest」(日本語では「イド・アル・フィトル」と訳されているようです)と言われるイスラム教の祝日が始まったようです。これは約1ヶ月に及ぶ断食(ラマダンといって太陽の出てる間は何も口にできない)の終了を祝うものらしいです。ま、断食の方法などは宗派や地域によっても違うそうですが、私の知っている敬虔なイスラム教徒である元同僚は、仕事中食べ物は勿論、水でさえも飲んでませんでした。とにかくそんな断食をしながら仕事をするわけですから、ラマダンの間中彼女の機嫌が悪いのは想像できるかと思います。ま、それはおいておいて。

そのような断食を1ヶ月もするわけですから、それが終わると祝日として盛大に祝うわけです。ニュースとかで見ていると、一人当たり何万円というものすごい買い物をどんどんしていくそうです。商機に敏いお店などはそんなイスラム教徒の為のお祝いの商品をずらっと並べたりしています。

一方でイスラム教徒のお祭り騒ぎ=トラブルも意味します。特に若い男の子達は日本で言う「ヤンキー」のような感じで、いつもつるんでいるだけでなく万引きや窃盗などの小犯罪(人を殺すみたいな大犯罪でない所がポイント!)を繰り返します。私も一度、人通りも多いまっ昼間の市内で携帯を手からもぎ取られたことがあります。この程度の小犯罪は余りにも多いことから、被害届を出しても警察は何もしてくれません。例え運よく犯人を捕まえたとしても、余りにも小犯罪であることから刑も軽く、大抵は未成年なので、福祉活動程度で終わり(それも本当に全部きちんと終えてるのか?って感じですが)で、お小遣い稼ぎにまた同じことを繰り返すのが現状だったりします。

そういう小犯罪の対象が大抵裕福なオランダ人となるので、オランダ人vsイスラム教徒(大抵はモロッコ人)という図式が出来上がります。私も携帯盗られたので、車のタイヤを全部パンクさせられたり(修理費約10万円?)、留守中に家の中ごっそり持って行かれたりして、でも警察は何もしなくって自腹きって泣き寝入りしないといけない人の気持ちがよぉ~く分かります。勿論こういうことするのは一部の若い男の子だったりするんですけどね。

で実は昨日、なんとなく思い立って映画を見に行ったんです。そうしたら、映画が始まっても声高におしゃべりはするし、立って歩き回ったり、挙句の果ては映画館内の前方と後方で会話したり、で映画どころではないんです。つまりお祭り騒ぎの一環でモロッコ系の若い子達が20人位映画館に来ていたんです。結局、注意したって聞くわけも無く、映画館の警備だって見回ってるときだけ効果があるだけなので、はっきりいって無駄。ということで、映画の途中で退席し引き留めるバイトの兄ちゃんを尻目にマネージャーと掛け合い次回の分のタダ券をもらって帰りました。

そのマネージャー曰く、イスラム教の祝日なので警備も増やして頑張ってるんだけどって。でも結局理にかなわない人達がまかり通って、本当のお客がそれを遠慮しないといけないという状況が出来上がるわけです。逆ギレされてトラブルに巻き込まれるケースが多いのもこの状況に拍車をかけているとも思えますが。警察もこのお祭り中は休暇が取れないそうですけど、そうまでして見回りを増やしてもそこかしこでトラブルがあるのが実情。

私は外国人としてこの国に住んでいますが、あくまでもお客さんのつもり。結局は「外人」だからやっぱり遠慮があるんですね。一方で、イスラム系がどんどん力をつけていて(イスラム教の政党まであるのです!)モスクや男女別々の特別な学校や図書館を建てる補助金とかをもぎ取ったりするだけでなく、彼らの祝日までオランダ全体を振り回しているのをみて、イスラム系のたくましさに唖然とするわけです。それに対して「人種差別はできない」と思いながらも「これっておかしくない?」と思っているオランダ人の心の葛藤が見える時は、「普段あれだけストレートに物事を言うオランダ人がなんでこんなに遠慮するんだろう」と不思議に思ったり。十字軍に象徴されるように、キリスト教とイスラム教の戦いはそれだけ根が深いってことでしょうかね。14年住んでも、まだまだ分からないことだらけのオランダです。



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