2011年10月3日月曜日

オランダの医療事情1

日本に帰国して腫瘍外科医の友人と話したり、患者さんからお話を聞いたりする度に、自分自身がラッキーにも手厚い治療をオランダで受けているということを実感しています。オランダでの医療現場が日本とどう違うのか、それらについて細かく書くと約束したので、これから時間を見て書いていきたいと思います。

まず、これまでの治療について触れる前に簡単にオランダの医療システムを説明しようと思います。オランダではホームドクター制のシステムとなっています。つまり国民はみな一人一人自分のかかりつけの医者であるホームドクターを持っています。そして体調だけでなく、鬱などの精神的なことも全てこのホームドクターへまず相談する事になります。

風邪をひいて薬をもらったり、インフルエンザ予防接種、ちょっとした湿疹の薬、中耳炎などの治療は大抵このホームドクターに数回かかれば終わりとなります。ところが、広く浅くのホームドクターの手に負えないやっかいな症状や、検査に特別な機器がいる場合は、ホームドクターの紹介で専門医にかかることになります。

専門医といえば、内科、外科、皮膚科、耳鼻咽喉科、と色々あるのは日本と同じですが、オランダの場合、専門医は大きな(総合?)病院の専門医となります。つまり、日本の街中にあるいわゆる「XX医院」というような専門医は、一部の例外を除きほとんどありません。

このようにホームドクターから送られてきた患者はみな「簡単な症状ではない」と専門医にかかるわけですから、病院の専門医はいつも混雑する事になります。そして病院側も新規の患者を受け入れすぎると既存の患者を診れなくなるので、初めての診察アポまで1ヶ月も待たされるなどということはザラにあり、その間イライラして症状と付き合いながら専門医とのアポを待つという構図が出来上がるわけです。

ということで、「病院が本当に必要な患者に必要なケアができるように、ホームドクターは簡単に患者を専門医へ送る事はやめるべきだ」という意見がある一方、「ホームドクターは詳しくこの分野の事を知っているわけではないから早く専門医に診てもらいたい」という患者の意見もあり、この辺はオランダの社会問題でもあるわけです。

ということで、私自身もオランダに来てからなかなか専門医に診てもらえない、という経験を何度もしていた為、「ヤバい病気になったら専門医に診てもらえる頃には死んじゃってるんじゃない?」とよく冗談にしていた位です。ところが、自分が本当に『ヤバい病気』になった時に、この認識はとんでもない間違いである、ということに気づいたのでした。 (つづく)

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