2011年10月17日月曜日

オランダの医療事情13

抗癌剤を始める直前か、始めてすぐのある時、新聞に面白い記事が出ていました。内容は「がん患者のためのビューティーコース」。放射線治療や抗癌剤で、髪、まつげ、眉毛が抜けたり、吐き気で顔色が悪かったり、という患者さんの為に、いかにそれをうまくカバーして病人に見せないかを教えてくれるというもの。 

これはボランティアのエステティシャンによるコースで、幸運にも私がお世話になっている大学病院の一角で数ヶ月に1度開かれているものでした。大学病院内で開かれるということは、病院側もある意味協力してくれている訳ですから、その辺はやはり「さすが!」と思いましたね。ということで、病院に行ったついでに予約を入れて行ってきました。 

当日は女性ばかり10名くらいが集まりました。大テーブルを囲んで座り、一人一人に化粧品会社などから提供してもらった化粧品セットが配られます。そして化粧の仕方を習います。 

といっても患者さんの為の化粧なので、抜けてしまった眉毛を上手に描くテクニック、描いた眉毛を1日消さずに持たせるにはどの化粧品がいいか、どこに色を持ってくると健康な人のように(くすみがなく血色よく)見えるか、などを参加した患者さんに化粧をしながら教えてもらえます。 

さらにウィッグの選び方、かぶり方、取り扱い業者、に始まって、ウィッグにスカーフをつけたり、帽子をかぶったり、なんて応用テクニックも親切丁寧に教えてもらえます。また、普段ウィッグをかぶらない時に丸坊主の頭をスカーフで包む方法なんかもここで教えてもらったことです。普段は自分一人で治療と向かい合っていても、こういう所で患者さん同士の交流ができたこともよかったことの一つと言えます。 

でコースが終わる頃には、さっきまで抗癌剤の点滴をつけ、どこからどうみても血色の悪い病人にしか見えなかった女性達が、普通の健康な女性へと大変身していました。(って私もその一人だった訳ですが!)でエステティシャンが最後に一言

こうやって化粧の仕方一つで健康にみえるように簡単に変身できます。でも、化粧して診察を受けるときには必ず「これは化粧です!本当は具合が悪いんです。」というのはきちんとお医者さんに伝えるようにしてくださいね。でないと健康だと思われて、ちゃんと診てもらえないと困りますから!

確かに・・・

ということで、抗癌剤の最中も見た目は健康そのものの状態を保って外出できたのはこのコースのおかげ。唯一困ったのは、余りにも健康に見えるため、優先席を譲ってもらえないし、運よく席があいていてもそこに座ろうとするとすごい目で見られること。「いや、本当に病人なんですってば!」と心の中でよく叫んでました(笑)

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