2011年10月14日金曜日

オランダの医療事情11

オランダの病院へかかると、まず患者番号なるものがつけられます。そしてこの番号に自分の名前、生年月日、保険会社名とその保険番号、ホームドクター名などの最低情報がコンピューター上に登録されることになります。これらはバーコード管理されるので、カルテ、採取した血液、処方箋、などいたるところでこのバーコードのシールがペタペタ張られることになります。

基本的には医療関係は全て生年月日を基準にして検索されるので、ホームドクターでも、病院でも、薬局でも、まずは自分の生年月日を声を大にしていわねばならず、待合室で人がたくさんだと普段若く見られるのが自慢な(?)だけに「自分の年がバレるのやだな・・・」とか思うことがよくあります。(苦笑)

で、この登録は診療記録でもあります。すなわち電子カルテが直結していて、うちの大学病院の場合、全ての記録が共通データベース上に保存されています。つまり私の誕生日を打ち込むと、いつ、どこの科で、どんな治療を受け、どんな薬を服用していて、云々・・・というのが芋づる式に全部出てくることになります。

骨を折って整形外科にお世話になって完結する人などであればこの共通データベースのありがたみは余りないかもしれませんが、私のようにありとあらゆる科を渡り歩いている患者の場合、新しい科へ行く度に一々どこで何したかという説明をしなくても済む、というのはとてもありがたい話です。

そして各科の診察ではこれらの履歴も考慮して診断してもらえます。例えば、今声が出なくなっていて耳鼻咽喉科でお世話になっていますが、まず「喉頭癌の可能性はないか?」という所から始まって、「胃液の逆流の可能性は内科で処方されている薬が原因ではないか?」など。このように横の連携がスムーズなので、患者としては丸抱えで診てもらえている安心感があります。

ちなみに病院の初診のアポが取れるまでに相当待たされる、というのは前にも述べた通りですが、一度患者になってしまえば、外科から内科、内科から婦人科、というように病院内の別の科に行くのは比較的スムーズともいえます。まぁ専門医が必要と判断して別の専門医へ送るということが簡単にできるのが総合病院のいい所なので、当たり前と言えば当たり前ですが。

とはいえ私が場合お世話になっている科は「腫瘍外科」や「腫瘍内科」。病院内でも『がん患者=優先順位トップ』という扱いであった為、この別の科への横滑りもかなりスピーディーでした。でも「癌とさえ言っておけば、なんだか水戸黄門の印籠効果をもたらしてないか?」と思うこともしばしば。え、それを悪用しなかったかって?それは想像にお任せします。( ̄▽ ̄)


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